乾燥肌
乾燥肌は、肌の水分や油分が不足してバリア機能が低下した状態です。乾燥肌は、かゆみや赤み、ひび割れなどの症状を引き起こすことがあります。乾燥肌の原因は、加齢や季節、環境、スキンケアなど様々ですが、アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚疾患が関係している場合もあります。
保険診療で使う薬は、主に外用薬と内服薬に分けられます。外用薬は、肌に直接塗る薬で、保湿剤やステロイド剤などがあります。保湿剤は、肌の水分を補給し、バリア機能を回復させる効果があります。ステロイド剤は、かゆみや炎症を抑える効果があります。内服薬は、かゆみを和らげる効果がある抗ヒスタミン剤の服用をします。
主な保湿剤

プロペト
プロペトは、白色ワセリンを主成分とする軟膏で、皮膚に適度な水分を保持させ乾燥や刺激などから皮膚を守ることで湿疹などの発生や悪化を防ぐ薬です。

ヒルドイド
ヒルドイドには、保湿成分としてヘパリン類似物質が含まれており、皮膚の水分保持能力を高めます。また、ヘパリン類似物質は、血管の拡張や血流の改善にも効果があります。
ステロイド
皮膚の炎症を抑える作用があります。乾燥肌が進行して湿疹や赤みが出たり、かゆみが強くなったりする場合には、ステロイド外用薬を塗ることで症状を改善することができます。ステロイド外用薬には、強さや形状によってさまざまな種類があります。強さは、ミルド、ミディアム、ストロング、ベリーストロングの4段階に分類されており、症状の程度や患部の部位によって使い分けます。形状は、軟膏、クリーム、ローションなどがありますが、一般的には軟膏やクリームをよく使います。
抗ヒスタミン薬
抗ヒスタミン薬とは、かゆみを引き起こす物質であるヒスタミンの働きを阻害する薬です。ヒスタミンは、アレルギー反応や皮膚の刺激などで放出される化学物質で、血管を拡張させて血流を増やし、神経末端に作用してかゆみを感じさせます。抗ヒスタミン薬は、このヒスタミンが神経末端に結合するのを防ぎ、かゆみを抑える効果があります抗ヒスタミン薬には、第一世代と第二世代という2種類があります。第一世代の抗ヒスタミン薬は、かゆみを強く抑える効果がありますが、眠気や口渇などの副作用も多く起こります。第二世代の抗ヒスタミン薬は、副作用が少なく眠気も起こりにくいですが、かゆみを抑える効果は第一世代よりも弱いです。当院では、患者さんの症状や体質に合わせて、適切な抗ヒスタミン薬を処方します。